中山寺〜清荒神ハイキング(せせらぎコース)@兵庫県宝塚市

maki-ryu22008-08-11

暑さに負けてマンネリショートコースの散歩ばかりで、犬にも申し訳ないような気がするし、飼い主も飽きてしまったので、木陰が多くて水辺もあるような散歩コースはないものか?とあれこれネット検索。
そしたら馴染み深い清荒神清荒神参道商店会のHPの、「清荒神参道の見所」というとこに「ハイキング・せせらぎコース」というのがあるのを発見。
清荒神なら何度も行った事あるし、子どもの頃裏山っぽいとこを歩いたこともある(父親が登山部出身でやたらハイキングの道連れにされたので)し、うちから電車で乗り換え無しで行けるし〜と、早速出かけてみました。
今思えばその時、「せせらぎコース」の内容をよく検討すべきでしたー。
「阪急中山駅中山寺 ⇒ 天宮塚 ⇒ 山頂展望所 ⇒ 奥の院展望所 ⇒ やすらぎ広場 ⇒ 清荒神(清澄寺) ⇒ 阪急清荒神駅」というコースの説明に、全行程の所要時間が書いてないんですよ。
結果から言うと、このせせらぎコースは「わりと健脚なあたし」と「めちゃ元気なゆず」が途中何度も引き返さなかったことを後悔してしまいつつ、全工程に平坦な道がほぼ無いと言っていい道を、5時間かかって、よれよれで(よれよれはあたしのみでしたが)清荒神にたどり着く、というコースでした。
道自体は木陰が多く水辺もあり、涼しくて楽しい道だったんですが、ハイキングというより登山。
思いつきで歩くにはハードすぎました…。

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予告編部分は終わり。予告編から想像してたものをはるかに越える(大げさじゃなく!)本編の始まりです。
中山寺は韓国のお寺*1を思い出す外観でちょっとうきっとしました。

中山寺はスカステニュースを見てるとおなじみになってしまうお寺。
タカラジェンヌによる節分会があるお寺なんです。
門からここまではエスカレーターで上がってこられるんですよ。
そのお気楽さが今後のハイキングコースを甘く見てしまった原因の1つだったわ、今思えば。
↓この建物の向こうの奥の院に向う道が「せせらぎコース」の始まり。

ハイキングコースの説明文にはいきなり「シンボル広場を右に見て広い道を直進し」と書いてありますが、中山寺内の案内図にもパンフレットにも「シンボル広場」なんて書いてないです。
あせらず「奥の院」の案内板に沿って歩いてください。シンボル広場が見えてきます。
↓説明文に「なだらかな坂道を小鳥のさえずりを聞きながら登ってゆくと、足洗川のせせらぎが下方にだんだん近づいてきます」と書いてある道。

この時期には珍しく涼しい曇りの日だったし、木陰も多くていい道でした。
↓「せせらぎ」とのファーストコンタクト。こんな場所がたくさんある道でした。

↓水は「まあまあきれい」というレベル。

説明文(プリントアウトして持って歩いてました)に「魚の遊ぶ砂防ダムでひと息いれたら、足洗川のせせらぎを右へ左へと丸太の橋や河原の石を飛び越えながら進みます。50分程で渓流に別れを告げ左へ急な坂道を登ってゆきます」と書いてあるので、渓流の左の急な坂道を登るたびに「今度こそ渓流に別れをつげる坂道?」と期待するのに、登り切ったとこにまた渓流と出会ってしまいがっくりする、というのを繰り返しました。
せせらぎを右へ左へと渡りながら歩く楽しさがどんどんつらさに変わっていくのは悲しい経験でしたわ…。
↓飼い主は「また渓流が見えるわ」とがっくり、ゆずはわくわくと小鳥さんやお魚を見てました。

あたしの脳内には「遭難」という文字がちらつき始めましたが、上から降りて来る高齢者が多いハイカーさんたちははつらつとしておられ、20歳から30歳は年上の人たちがこんなに普通に歩いているのだから大丈夫と思い直しつつ歩き続けました。
ここから引き返すのとコースに沿って歩きつづけるのとどっちがいいのか?と考えてはみるんだけど、しんどいせいか考えはまとまらず。
↓ついに天宮塚。よれよれすぎて達成感はなく、道に迷ってるのでは?という不安が解消されてほっとしたという気持ちが大きかったです。

天宮塚の手前で犬好きのおじいさんと立ち話をしました。
おじいさんはご近所の人でこの山に登るのが日課らしく、軽装、手ぶら、足取りが軽い、というかっこよさでした。
おじいさんの愛犬がこの山でマムシに噛まれた話も聞きました。
おじいさんは犬(中型犬だそうです)を抱いて下山したそうですが、今のあたしに犬を抱いて下山なんて無理…。
どうしよう?と不安になり、今まですれ違ったハイカーさんたちには吐かなかった弱音を吐き、おじいさんに「来た道を引き返すより奥の院のほうから降りるほうが道が楽だよ」と慰められました…。
↓たしかに急に平坦な道になって安心しました。

体のしんどさがピークを越えたのでここから写真は無しです。
奥の院の入り口のとこに「犬の散歩お断り」という垂れ幕を発見。
大きく迂回していたら山を降りるポイントを見失い、結局行かないつもりだった清荒神方向に歩くことになってしまいました。
これが大失敗。中山寺の裏山の道の何倍もラフな道の連続でえらいめにあいました。
時々展望のいいポイントから下界に見える宝塚大劇場の小ささが今のあたしの居る場所をリアルに感じさせて、もうホントにえらいことになったわ〜と思いました…。
ゆずはずっと元気元気で、途中何度も座り込んで休憩するあたしに「遊ぼ遊ぼ」と飛び跳ねて近づいて来て、あやうく崖から谷底に突き落とされそうになりましたわー。
清荒神に着いた時にはあたしの顔に表情がなくなっており、夕暮れ参拝に来られている熱心な信者の皆さんの平和な様子から浮きまくってました。
清荒神に来ると必ず寄る佃煮屋さんにも寄らず、阪急に乗って帰宅。
軽い気持ちで出かけたのに、「全行程の半分以上遭難について考える」という大冒険になってしまいました。
今は車や電車から中山寺がちら見えするだけでガクブルです。
後日元自衛隊のおっちゃんに聞いたら、このコースを「行軍」したことがあるそうです。
将来愛玩犬連れで八甲田山行軍するのが夢というような方以外はトライしないほうがいいですよ…。

清荒神参道商店会HPのお薦めハイキングコースを犬連れで歩く時の注意点

  • ここで「ハイキング」と言っているのは散歩に毛が生えた程度のもののことではなく、登山です。あたしの感覚だと鞍馬〜貴船コースの20倍きついです。
  • 談笑しながら歩いている中高年を多く見掛けますが、一般人に見えてもあの人たちは超人です。ビギナーが目安にしてはいけません。
  • マムシ被害が複数あるそうです。道を歩いている分には大丈夫だそうですが、ノーリード(禁止です!)や伸縮リードで犬を歩かせてて、犬が道からそれた場合マムシに噛まれる危険があります*2
  • 奥の院と、清荒神の裏のお寺は犬立ち入り禁止です。迂回するのはかなり大変。
  • あたしのお薦めは、コースの始めの部分のせせらぎでちょっと遊んで最初のダムのとこで引き返すというプランです。
  • 清荒神も楽しいとこなので、清荒神だけに行く散歩コースはいいと思います。駅〜参道だけでもいい散歩になります。

*1:あたしはハングルが書いてあるとつい読んでしまうという韓国好きで韓国には何度か行っているんですが、韓国のお寺と言われてもイメージしづらいという方は、映画「頭の中の消しゴム(お寺が出て来るのは1シーンだけだけど)」「春夏秋冬そして春(しんどいシーンがあって万人にお薦めはできないけどお寺シーンが多いし自然描写がすごくいい)」などで見ることができます。

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*2:愛犬を噛まれたおじいさんによると、マムシに噛まれた犬は3日ぐらいご飯も食べずに苦しんだけど回復。癲癇の発作がでるようになるという後遺症は残ったが16歳まで生きたそうです。でもあの険しい山を愛犬を抱いて降りることができる人はごくわずかだし、どんな犬でもマムシに噛まれた後回復できるとは限りません。