「地域猫」という考え方

あたしは野良猫にエサをやったことはありません。
野良猫がついてくるので飼ったことはありますが、自分で飼えないのにエサだけやるのは「おいしいとこどり」とか「搾取」的なかんじがしていや(上手く説明できてませんね)だし、近所に野良猫にエサをやるのが盛んな空きがあって、尿の匂いでその近くを通れないぐらい嫌な匂いがするのを本当に嫌だと思ってもいるからです。
でも野良猫にエサをやる人を「悪い人」と決めつけることも出来ずにいます。
職場周辺(風俗街)の野良猫に大量にエサをやってはいるけど、避妊手術をさせたり、母猫が放置した子猫を傷だらけになりながら捕獲して結局飼っている(4匹ぐらいまで増えてた)大好きな知人がいる*1ので、猫にエサをやる人が非常識で無責任な人ばかりじゃないのを知ってるからです。
そういう事情で、ゆずの散歩で扇町公園なんかに行って野良猫にエサをやってる人に人懐っこく話しかけられたりして、うまく返答ができなくてこまっていました。
あたしはその公園のすぐ近くに住んでないから野良猫が増えることで直接被害はないけど、野良猫にエサをやることをいいことだと思ってないので、この人と親しく挨拶を交わしていいものか?なーんて考えてしまうわけで。
今朝テレビで「野良猫エサやり問題」に新しい取り組みをしてる地域のニュースを見ました。
ネットで検索してみると…

『「地域猫」事業、進む共生』長野(2006年03月20日 asahi.com
街の野良猫を地域住民が共同で世話をし、トラブルを防ぐ「地域猫」の取り組みに県が力を入れている。「信州コムキャット」と名付け、避妊・去勢手術費用の全額を負担するなど全面的に支援。松本市のモデル地区ではこの4年間に、野良猫が6分の1に減るなど成果を上げている。(伊藤景子)
「チャイクロ、プーちゃん、ご飯だよ」。
2月ある日の昼、同市内の公園。ボランティアグループ「ねこの会」事務局長の山田敏子さん(52)が植え込みに向かって声をかけると、黒とまだら模様の猫2匹がのそり、と姿を現した。
植え込みの陰に、ベニヤ板と鉄パイプで作ったえさ場があり、山田さんは袋からキャットフードを取り出して皿に、水筒の湯を鉢に入れる。
2匹が順番に食べ終わるのを待って、食べ残しを袋に入れ、アルコール綿で皿を丁寧にぬぐう。カラスやハトが寄ってくるのを防ぐためだ。ついでに、周辺のごみや散歩の犬が残していった糞も拾って帰る。
午前6時、正午、午後6時の一日3回、3カ所のえさ場を会員が交代で回る。「世話をする人間がルールとマナーを徹底して守れるかどうかが地域猫成否の分かれ目」と山田さん。地域猫を始めるにあたって、地元自治会と何度も話し合いを持った。今では「以前より公園がきれいになった」と評価されている。
公園は02年、県の地域猫事業のモデル地区に指定された。地域猫は、「ねこの会」が中心メンバーを占める「県動物愛護会松塩筑支部ねこ部会」の活動として認定されている。現在、公園に暮らしているのは5匹。昨年暮れに来たオスを除き避妊・去勢手術済み。
新参の猫が来ると、えづけした後、捕獲器で捕まえ、小諸市の県動物愛護センター(ハローアニマル)に持ち込んで手術を受けさせる。約2万円の費用は県の負担。猫運搬のためのガソリン代などにも補助が出る。手術時には猫エイズ白血病の有無も検査する。
猫は一匹ずつ、体の模様や推定年齢、病気の有無を記入した独自のカルテで管理されている。 
山田さんらが「ねこの会」を立ち上げたのは01年4月。捨て猫の世話をするボランティアのいる市内6カ所の実態調査をし、「地域猫事業を始めてほしい」と県や保健所に働きかけた。
当時、どこの保健所も「庭で糞尿をする」など猫がらみの苦情に悩んでいたこともあり02年度、県の「地域ねこ共生モデル事業」がスタート。ハローアニマルでの手術費用などとして約67万円の予算がついた。05年度には「地域ねこ活動支援事業」となり、手術費用とは別に、猫を運ぶ際の交通費やえさ代の一部も出ることになった。
同時に「ねこの会」代表の岡田英二さん(39)の発案で、県内の地域猫を「信州コムキャット」の名称で呼ぶことも決まった。手術を済ませた猫に「信州コムキャット」のロゴ入り首輪をつけ、活動の指定地区を全県に広げたいという。
松本市の公園では、年に31匹いた猫が6分の1の5匹に減った。次々、避妊・去勢手術をしたのに加え、自治会や警察の協力を得ながら、捨て猫警戒のパトロールを続けた結果だ。飼い猫と違って交通事故死や病死、行方不明も多い。
この4年間、山田さんらが世話を、01した地域猫は延べ81匹。うちメス9匹、オス8匹が飼い猫としてもらわれていった。「温厚で人なつこく、家猫として十分やっていける」という猫がいた場合、山田さんと岡田代表が自宅でトイレの訓練をし、希望者にあっせんする。飼い猫になったうち4匹は、アニマルセラピーのため老人施設などを訪問している。
岡田さんは26日に麻布大学で開く「第12回ヒトと動物の関係学会」で、こうした活動の成果を発表する。「地域猫は人と猫が共生する潤いある地域作りにつながる。飼った動物は最後まで責任を持って面倒を見るよう、飼い主に訴える運動としても盛り上げたい」
横浜市職員で『「地域猫」のすすめ』(文芸社)の著者、黒澤泰さん(49)の話 世話してやれば、猫は温厚になり、人間に迷惑をかけずに生きる。私は磯子保健所で住民の苦情処理を担当し、地域猫を発案したが、猫がきっかけで防犯・防災の話し合いが始まり、町づくりに発展した。猫ではなく地域と人間を見る視点を持ってルールを守り、粘り強く続ける覚悟が必要。それができず破綻した例も多い。松本はボランティアと地元住民、行政がうまくかみ合った成功例。地域猫の「信州モデル」を確立し、広げてほしい。
<キーワード> 地域猫 97年、横浜市磯子区が全国初の猫政策「ホームレス猫防止対策事業」をスタート。99年に策定した「猫の飼育ガイドライン」の中で、「地域猫」を「地域で適切飼育管理された猫」と定義づけた。狂犬病予防法で登録や係留が義務づけられている犬と違い、猫の扱いは法的には極めてあいまい。苦情やトラブルに頭を抱える自治体は多い。地域猫事業に取り組むところは増えているが、長野県のように避妊・去勢手術費用を行政が全額負担する例は珍しいという。

あたしんちの近所では「野良猫にエサをやる派」と「やらない派」の間でちょっとしたいざこざがあったりもする*2こともあり、このニュースを興味深く見ました。
↓愛読書。安易にエサをやってる人には一度読んでほしいと思う。

愛別外猫雑記 (河出文庫)

愛別外猫雑記 (河出文庫)

↓これから読んでみる
「地域猫」のすすめ―ノラ猫と上手につきあう方法

「地域猫」のすすめ―ノラ猫と上手につきあう方法

*1:彼女の手伝いでエサやりを手伝ったりしたことはあります。主義に反するのでエサ代の負担はしたことはないですけど、捕獲の手伝いの一環でエサをやったことがあるんです。主義に反するからエサ代は負担しないとか煮え切らないかんじでしんどかったけど、彼女はそういうあたしをとがめたりはしないでくれました。

*2:自分ちの庭先の野良猫を追い払っていると、ご近所に住んでるエサやり派の人にどなられたりするそうで、近所付き合いがややこしくなるってことがあるそうです。